「歯ぎしりがすごくて…」というのは、ふつうは自分のことではなくて他人のことをいっています。他人といってもあかの他人ではなく、夫婦とか兄弟などの家族です。自分についていうときは「歯ぎしりがすごいらしくて…」と逆に伝聞調になります。イビキと同じで本人が気づいていないというのが歯ぎしりのおおきな特徴です。

イビキも家族にとっては迷惑ですが、歯ぎしりは特有のキリキリという金属音がイビキより気になるという人もいるようです。夫がイビキも歯ぎしりもすごいというある奥さんは、いびきをかいたら鼻をつまみ、歯ぎしりをしたらあごを押さえて歯を動ないようにしていたそうです。たいへんご苦労なことです。

音のしない歯ぎしりというものもあります。歯科では歯ぎしりをつぎの3つのタイプに分類しています。

上下の歯をすり合わせてキリキリという金属音を立てる歯ぎしりを「グライディング」とよんでいます。一般に歯ぎしりといわれているのがこのタイプです(ハンドピース)。

無意識に歯を強くかみしめる(くいしばる)癖も歯ぎしりの一種とされ「クレンチング」とよばれます。これは音をたてませんが、寝ているときだけでなく起きているときにもあります。だれでも力を入れるときや怒ったときは歯をくいしばりますが、それを歯ぎしりとはいいません。歯ぎしりの1種とされるのは、無意識でしょっちゅうしている(癖になっている)場合です。

3つめはめずらしいタイプの歯ぎしりで、上下の歯をカチカチいわせる「タッピング」というタイプです。こすり合せる歯ぎしりと同じで寝ているときに無意識にするので、本人は気づいていません。

この中ではた迷惑なのは音がするタイプの歯ぎしりですが、健康面から問題になるのはむしろ音のしないかみしめるタイプの歯ぎしりです(コントラアングル)。